環境・エネルギー工学専攻が平成17(2005)4月から新しく発足しました。本専攻は、持続可能な人類社会の文明を支える工学的な教育と研究をおこなうことを目的としており、旧環境工学専攻および旧原子力工学専攻、地球総合工学専攻の一部を統合する形で、13の基幹領域とそれとほぼ同数の協力・連携の領域もしくは講座によって構成されています。

 

 

 本専攻では、2つの旧専攻で培ってきた学術的精神、すなわち新規に領域を開拓するスピリットを改めて発揮し、環境とエネルギーの双方がもつ「人類の生存基盤」を築く研究と教育を展開することにより、そのシナジー効果を発揮できるような教育研究組織を目指しています。
 これまでの「市民社会のインフラ」や「電気システム」等に関する研究教育組織との連携・協力は続けてゆきますが、新たに環境やエネルギーに関するシステム構築力や総合性、何よりも人類の共生を築くスピリットの面で、各界から注目される専攻、学術組織として発展させることを構成員全てで確認しています。



西嶋 茂宏

環境・エネルギー
工学専攻
専攻長

 

 

 今から約35年前に、科学技術の調和ある発展を願って新しい学科が生まれました。環境の保全と快適な人間環境をつくることを目的に日本で最初に生まれた環境工学科は時代のさきがけでした。また、未来のエネルギーとして開発されつつあった原子力エネルギーに関する原子力工学科も成長期の社会に夢を与えました。日本の原子力エネルギーの平和利用と、環境の保全と管理という強い社会的背景を元に開設された原子力工学、及び環境工学の学科および専攻は、新たな地球社会の環境およびエネルギーに課せられた「持続可能性と共生」の命題に応えることが迫られています。そこで、基礎分野の違いを超えて、むしろ未来のあり方から着想することで思い切って再編し、未来社会からのニーズに応えていきます。

 

 教育面では、環境やエネルギーに関連する人材育成のシステムを発展させ、いくつかの専門的資格を取得しうる実践的教育を行い、社会のニーズに応えることができるように、包括的な捉え方と深い専門的な能力の両方を満たす教育をおこなうことをめざしています。

 研究面では、個々の領域でのフロンティア研究を進めるとともに、産官学の共同研究を推進し、専攻の内外の人的協力による公募型などの大型研究の実施を通じて、社会的学術的なインパクトのある研究成果をあげることをめざしています。

 環境・エネルギー工学専攻として推進している教育・研究プログラム

 ・環境リスク管理のための人材養成

 ・実践力向上のメンター制とPBリーダー養成

 ・大阪大学サステイナビリティ・サイエンス研究院(RISS

 ・適応型リスクマネジメントモデルとリスクマネジメント手法の研究

 ・原子力ルネッサンスイニシアティブ